【目的】DNAのメチル化異常が、がん化に関与している事が明らかになってきている。この様なメチル化異常を調べる事によって診断や、治療効果の予測、予後判定などへの応用が試みられている。今回私達は、新規遺伝子増幅法であるLAMP法を用いてDNAのメチル化の有無を測定するMethylation specific LAMP(MS-LAMP)法の開発を試みた。
【材料・方法】培養細胞株(10株)と各種臨床検体(15例)からDNAを抽出し、sodium bisulfiteで処理した。処理後のDNAは、p16遺伝子のメチル化、非メチル化DNA特異的プライマーにてPCR法とLAMP法の両者で増幅を行ない、その判定結果を比較した。
【結果】リアルタイム蛍光検出によるLAMP法では、1時間以内に特異的な増幅が確認され、対照としたPCR法とも良好な相関結果を得た。
【結語・考察】MS-LAMP法の開発を行っており、その反応原理からも特異性が高く、濁度による増幅検出も可能であるために、簡便にメチル化DNAの有無を測定する方法として臨床的な応用の可能性が示唆された。
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