栄研化学株式会社
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製品FAQ 

レジオネラ検出試薬キット

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測定原理  キット  操作法  その他
 測定原理について

原理を教えてください。
本キットは、弊社が開発した遺伝子増幅法であるLAMP法により、レジオネラ属菌に特異的な遺伝子配列を認識するプライマーを用いて核酸の増幅反応を行い、反応時に副産物として生成するピロリン酸マグネシウムの白濁を検出することによってレジオネラ属菌の検出を行います。

時間はどれくらいかかりますか?
環境水(温泉水、浴槽水、冷却塔水等)の100倍濃縮液を検体とし、DNA抽出および試薬調製(約60分)後、専用のリアルタイム濁度測定装置を用いることにより、増幅反応開始から検出・判定までを約60分で行うことができます。つまり、採水したその日のうちにレジオネラ属菌の有無を判定できます。
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 キットに関して
 キットの性能に関して
検出対象は?
環境水(温泉水、浴槽水、冷却塔水等)をろ過濃縮法または冷却遠心濃縮法で処理した100倍濃縮液中のレジオネラ属菌を検出します。

特異性は?
Legionella pneumophilaの11種のserogroupを含む11菌種21株のレジオネラ属菌を特異的に検出することができました。非レジオネラ属菌では、市中肺炎の起因菌を含む19菌種19株で全く反応しませんでした。

検出感度は?
Legionella pneumophila の保存菌株を用いた最低検出感度は60CFU/testです。したがって、実際の環境水を検体に用いた場合には、この数値と従来の培養法の検出感度(10CFU/100mL)を直接比較することはできません。また、この感度はLegionella pneumophilaに対するもので、菌種によっては同様の検出感度が得られない場合があります。

培養法との相関は?
浴槽水100検体を用いた検討では、培養法でレジオネラ属菌が検出された49検体についてLAMP法では全て陽性と判定され、陰性となる不一致は認められませんでした。また、培養法で不検出の51検体中LAMP法で陽性と判定された検体は22検体でした(防菌防黴 vol.32,No.10,481-487,2004)。

菌数の定量はできますか?
本キットは定性検出用ですが、2009年4月出版の「レジオネラ症防止指針 第3版」(財団法人 ビル管理教育センター 発行)において、条件設定を厳密に行えば定量試験法としての利用も可能であることが示されました。
この方法は、L.pneumophila基準株を培養して調製した希釈菌液(10〜108CFU/mLの10倍希釈系列)から核酸を抽出・精製し、LAMP法の増幅反応で得られたそれぞれの濁度上昇に要する時間(Tt値)から検量線を作成して、試料(検水)のTt値からレジオネラ属菌の定量値を得るというものです。 
ただし、実際の試料を用いた場合、LAMP法に限らず遺伝子検査ではVNC(Viable but non-culturable)菌および死菌等のDNAも検出しますので、定量値が必ずしも試料中の生菌数のみを反映するものではないことにご注意ください。

死菌も検出してしまうのですか?
本キットはレジオネラ属菌のDNAを検出しますので、培養法でコロニーを形成する能力をもつレジオネラ属菌だけでなく、VNC(Viable but non-culturable)菌や死菌も検出する可能性があります。もし検査でレジオネラ属菌のDNAが検出された場合、すべての陽性結果が感染の危険性を示すわけではないものの、試料(検水)を採取した設備内の衛生上の不備を意味していると言えます。

本キットを用いて、試料(検水)のレジオネラ汚染の程度はわかりますか?
本キットは定性検出用ですが、遺伝子増幅の立ち上がりまでの時間を目安として、死菌等を含むレジオネラ汚染の程度をおおまかに知ることは可能です。以下の検討において、増幅の立ち上がりまでの時間が35分以内だと102個/100mL以上の、25分以内だと103個/100mL以上のレジオネラ属菌が存在した可能性が考えられました。
■井上らが日本防菌防黴学会第35回大会(2008)で発表した演題
 12Pp-18 「LAMP法による温浴水等のレジオネラ属菌検査結果」の発表データに
 基づき作成

温浴水および貯湯槽水518検体を対象にLAMP法と培養法でレジオネラ属菌検査を実施し、LAMP法反応液の濁度が0.1を超えるまでの時間(Tt値とします)と培養法でのレジオネラ属菌数との関係を調べました。
その結果、培養法でレジオネラのコロニーが検出された(10CFU/100mL以上の)検体(緑色線より上の)の99.5%(190検体中189検体)はTt値が43分以内でした。コロニー数が102CFU/100mL以上の検体(桃色線より上の)の98.7%(76検体中75検体)はTt値が35分以内でした。また103CFU/100mL以上の検体(21検体、赤色線より上の)はいずれもTt値が25分以内でした。
一方、培養法でコロニーが検出されなかった検体にもTt値が35分以内の検体が多数ありました  ( )。遺伝子検査ではコロニーを形成し得る菌だけでなくVNC(Viable but non-culturable)菌や死菌のDNAをも検出します。そのため、Tt値が短いこれらの検体のそれぞれにもレジオネラ属菌が存在していたと考えることができます。
これらのことを合わせて考えますと、LAMP法を用いた温浴水および貯湯槽水の検査では、
Tt値が35分以内となる検体では、VNC菌および死菌を含む菌数が102個/100mL以上
Tt値が25分以内となる検体では、VNC菌および死菌を含む菌数が103個/100mL以上 存在していた可能性があると考えられました。


培養法で陽性の検体がLAMP法で陰性となることはありますか? また、キット中の抽出試薬を用いたレジオネラ検査で、検体中の阻害物質の影響を受けることはありますか?
本キットを用いたレジオネラ検出の研究*において、Legionella londiniensis が検出できなかったことが報告されています。また、本キット中の抽出試薬を用いて、鉄、マグネシウムなどの金属イオンやフミン質を多く含む検水および薬湯を検査した際に、これらの成分によりDNA増幅反応が阻害を受け、正しい結果が得られない場合がありました。以下の検討で、温浴水の成分がLAMP反応を阻害した可能性が報告されています。
■井上らが日本防菌防黴学会第35回大会(2008)で発表した演題
 12Pp-18 「LAMP法による温浴水等のレジオネラ属菌検査結果」 より
温浴水1,108検体を用いた検討で、「培養法陽性、LAMP法陰性」の検体が10検体あり、いずれも温泉水でした。原因として、菌数が少ないこと、およびLAMP反応を阻害する物質の影響が考えられました。
*:厚生労働科学研究費補助金地域健康危機管理研究事業「迅速・簡便な検査によるレジオネラ対策に係る公衆浴場等の衛生管理手法に関する研究」(平成19年度)

試料中の反応阻害物質の影響を除く方法はありますか。
2009年4月出版の「レジオネラ症防止指針 第3版」(財団法人 ビル管理教育センター 発行)に、試料水中のDNA増幅反応を阻害する物質の影響を取り除く方法が示されましたので、ご参照ください。

試料中の反応阻害物質の有無を確認する方法はありますか。
試料水中のDNA増幅反応阻害物質の有無を確認する方法として、枝川ら(Bokin Bobai Vol.37,(1),3〜8, 2009)が、「1検体につき2本チューブを用意し、1本目のチューブには試料水のDNA抽出液5μLとLAMP法試薬20μLを加えて反応液とし、2本目のチューブには1本目のチューブと同様の反応液に陽性コントロール2μLをインターナルコントロールとして添加する」方法が有用であることを発表しましたので、ご参照ください。

 キットの購入に関して

キット内の試薬だけ購入できますか?
キットを構成する各試薬の分割販売は行っておりません。

 キット内容について
キット以外に何を用意すれば良いでしょうか?
以下の器具・装置が必要となります。
・マスターミックス調製用滅菌チューブ(0.5mLまたは1.5mL) 
・ピペット(0.5〜10μL、10〜100μL、100〜1,000μL) ・フィルター付チップ 
・滅菌チューブ(2.0mL) ・Loopamp反応チューブ ・反応チューブ冷却用アルミ製ラック  
・氷(クラッシュアイス) ・LAMP法専用リアルタイム濁度測定装置 
・小型冷却遠心機  ・微量簡易遠心機  ・ヒートブロック(95℃で使用)  ・ボルテックスミキサー

何検体検査できますか?
1キットは48テスト用ですが、一連の検査毎にコントロール(陽性コントロール・陰性コントロール)を置く事をお勧めしていますので、コントロール反応分を差し引いた検体数の検査が可能です。

 プライマーについて

プライマーの配列を教えてください。
公開しておりません。

LAMP法にはループプライマーがあると聞いています。キットに添付しているのでしょうか?
ループプライマーはLAMP法において増幅時間を短縮するために使いますが、Loopampレジオネラ検出試薬キットE でも利用されています(Reaction Mix.Leg中に既に添加されています)。

 酵素について

DNA合成酵素はPCR法で使用するものとどう違いますか?
Bacillus stearothermophilus 由来のDNA Polymerase Iから5'→3'exonuclease 活性を除いた鎖置換型DNA合成酵素です。PCR法でよく利用される酵素とは異なり鎖置換型のDNA合成酵素で、DNA合成が伸長していく先に2本鎖があるとそこを剥がしながら合成が進められるタイプの酵素です。

Bst Polymerase以外の鎖置換型DNA合成酵素は使えますか?
Loopampレジオネラ検出試薬キットEBst Polymeraseを用いて試薬系を最適化していますので、キットに添付の酵素をお使いください。

 検出について

濁度もしくは蛍光による目視検出は可能ですか?
LAMP法では増幅反応時に産生される副産物の濁りを目視で観察することができますが、誤判定を避けるためにはLAMP法専用のリアルタイム濁度測定装置にて、検出・判定を実施してください。また、蛍光目視検出試薬による蛍光検出については、サンプルに含まれる共存物質の影響を無視できないため、お勧めすることはできません。
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 操作法に関して

 試薬について

コントロールは必要ですか?
核酸増幅反応が適切に進行したか確認するために、必ずコントロールを置くようにしてください。

陰性コントロールに水は使えないでしょうか?
Extraction Solution for Legionella(EX Leg)をご使用ください。

1回の検査ごとにコントロールが必要でしょうか?
DNAの増幅反応が正常におこなわれたかを確認する為に、1連の検査毎にコントロールを置く事をお勧めします。

コントロールを置くのを忘れてしまいました。
誤判定を避けるために、再試験を行ってください。

試薬の調製法を間違えてしまいました。
使う試薬は微量です。わずかな調製ミスでも大きな誤差となります。その場合はもう一度調製し直してください。

増幅反応まで氷上での操作が必要でしょうか?
酵素の失活を防ぐため、マスターミックスの調製、マスターミックスとサンプル及び陰性・陽性コントロールとの混合は、全て氷上で実施してください。

試薬はどのくらい凍結融解できますか?
凍結融解を20回繰り返した結果では、試薬の劣化は認められておりませんが、無用な凍結融解は品質保持のため避けてください。

マスターミックスは調製後どのくらいの時間安定ですか?
氷上で2時間までは安定とのデータはありますが、できるだけ早く使用してください。

有効期間はどれだけ有りますか?
有効期間は製造日から1年間です。

有効期間が過ぎてしまいました。
残念ながら品質の保証はできません。

保存温度は何℃ですか?
‐20℃で保存してください。

室温で放置してしまいました。
影響を否定できませんので新しい試薬をお使いください。

残った試薬の保存法を教えてください。
‐20℃で保存してください。

増幅反応に入る前に何か注意は必要ですか?
反応チューブにキズや亀裂がないことを確かめてください。試薬の分注ミスがないか、反応液量を確認してからサンプルを添加してください(極端に多かったり少なかったりした場合は分注ミスが考えられます)。反応チューブの蓋は確実に閉めてください。反応液を混合した後にチューブ壁面に液が付着している場合は、軽く遠心分離機にかけてください。反応液に気泡がない様に注意してください。リアルタイム濁度測定装置の蓋を確実に閉めてください。

Loopamp濁度測定装置で測定したとき、増幅反応時の曲線はどのような形になるのですか?
取扱説明書にリアルタイム濁度測定装置を用いた場合の増幅曲線パターンを記載しています。通常、反応開始後しばらくは平坦な直線となり、増幅反応時の副産物であるピロリン酸マグネシウムの粒子が生成しはじめると、間もなく傾きの大きな直線的な上昇カーブを描きます。その後カーブは緩やかになり平衡状態を経て粒子の沈降とともに徐々に下降してきます。検体によっては測定時間内に下降しない場合もあります。

 測定、測定結果について

陽性コントロールが(−)に出ました。
各試薬を所定量加えているか、試薬を入れ間違えていないか、マスターミックスおよび反応液の攪拌が十分であったかご確認ください。また、専用以外の反応チューブを用いた場合や専用の反応チューブをUV照射した場合は、誤判定の原因となります。ご確認の上、再試験をおこなってください。

陰性コントロールが(+)に出ました。
コンタミネーションの可能性があります。また、専用以外の反応チューブを用いた場合や専用の反応チューブをUV照射した場合は、誤判定の原因となります。ご確認の上、再試験をおこなってください。

陽性コントロールの立ち上がり時間がバラツクのですが。
マスターミックスおよび反応液の攪拌が十分でなかった可能性があります。ご確認の上、再試験をおこなってください。

陽性コントロールの濁度値がバラツクのですが。
マスターミックスおよび反応液の攪拌は十分でなかった可能性があります。また、専用以外の反応チューブを用いた場合や専用の反応チューブをUV照射した場合は、濁度値がバラツク可能性があります。ご確認の上、再試験をおこなってください。

反応チューブに傷がついてしまいました。
反応チューブに傷があると正しく測定できず、場合によっては誤判定の原因となります。反応チューブの取扱いには十分に注意してください。傷のついたチューブのサンプルは再試験をしてください。

 電気泳動での検出について
電気泳動で検出ができますか?
LAMP法は増幅効率が高く増幅産物が大量に生成されるため、電気泳動はコンタミネーションの原因となります。そのため電気泳動等での増幅産物の取扱いは極力避けてください。

 廃棄方法について
試薬の廃棄方法に注意は必要ですか?
増幅産物によるコンタミネーションは誤判定の原因となるばかりでなく、試験環境そのものを汚染し、汚染を除去しない限り、以後の試験で正しい結果が得られなくなる可能性があります。従って、反応後のチューブはキャップを開けずに、焼却処理または密閉できるビニール袋を二重に施し、廃棄の基準に従って処理してください。増幅産物の飛散防止のため、廃棄の際にオートクレーブ処理は行わないでください。
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 その他
発送方法は?
弊社では、製品を安定した品質でご提供するため、「クール宅急便(冷凍タイプ)」にてお届けしております。
お受け取り後は、製品の品質保持のため速やかに冷凍庫保存(-20℃保存)してください。
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