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SARSコロナウイルス検出試薬キット

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測定原理  キット  蛍光目視検出  使用器具、機器、設備  操作法  その他
 測定原理について
原理を教えてください。
本キットは、弊社が開発した遺伝子増幅法であるLAMP法(原理の詳細はhttp://loopamp.eiken.co.jp/lamp/index.htmlをご覧ください)により、SARSコロナウイルスに特異的な核酸配列を認識するプライマーを用いて核酸の増幅反応を行い、反応時の副産物として生成するピロリン酸マグネシウムの白濁を検出することによってSARSコロナウイルスの検出をおこないます。SARSコロナウイルスはRNAウイルスであるため、その反応にはRT-LAMP法を利用します。

RT-LAMP法とは?
RT-LAMP法とは、Reverse Transcription - Loop-mediated Isothermal Amplification 法の略で、RNAを鋳型として逆転写酵素によりcDNAを合成し、このcDNAから通常のLAMP法に基づき鎖置換型DNA合成酵素による増幅反応を進行させる方法です。
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 キットに関して
 キットの概要(測定原理、特徴、性能)について
キットの特徴は?
1.SARSコロナウイルスの遺伝子を特異的に検出できます。
2.迅速な判定が可能です。
3.最低検出感度は10コピー/テストです
4.核酸の逆転写反応から増幅反応・検出までが閉鎖系・1ステップで可能です。
5.蛍光目視による検出も可能です

キットの検出対象は何ですか?
SARSが疑われる有症状者の糞便・鼻腔咽頭拭い液から抽出された、SARSコロナウイルスのRNAを検出します。

対象検体ごとの陽性率は?
測定の結果、リアルタイム濁度検出による陽性率は、検体別に糞便:81.0%(64/79)、鼻腔咽頭:56.3%(9/16)でした。また、蛍光目視検出による陽性率はそれぞれ順に、77.2%(61/79)、56.3%(9/16)でした。

血液から抽出されたRNAは対象とならないのですか?
対象として承認されていません。そのため、血液から抽出したRNAを対象とした場合、SARSが疑われる有症状者を対象とする診断の補助として利用することはできません。また、保険適用の対象にもなりません。なお、血清を対象とした場合の陽性率は、リアルタイム濁度検出26.9%(21/78)、蛍光目視検出24.1%(14/58)でした。今回の承認において、試薬キットの臨床使用上の性能を向上させるために臨床性能試験をさらに実施することが条件として付けられており、その中で血液を検体として使用することを検討することが指示されています。 研究目的で血液から抽出したRNAを対象とする場合は、研究者の責任の範囲内で本試薬キットの利用をお願いいたします。

特異性は?
SARSコロナウイルスと同じ科に属する他のコロナウイルス及び発熱の臨床症状を引き起こすインフルエンザウイルス等のウイルスについて調べましたが、全て陰性であり交差反応は認められませんでした。

検査時間はどれくらいかかりますか?
検体から核酸抽出(20〜30分)を行ったサンプル溶液とキットの試薬をチューブ内で混合し、その混合液が入ったチューブをLoopampリアルタイム濁度測定装置にセットすれば、逆転写反応から測定・判定まで約45分でできます。従って、抽出から判定までが1時間10分前後でできることになります。

このキットを使用する際、何らかの装置が必要ですか?
LAMP反応を確実に行える装置が必要となります。LAMP法専用のリアルタイム濁度測定装置をお薦めします。どちらも、LAMP法による遺伝子増幅をリアルタイムにモニタリングすることができます。

 キット内容について

1キットで何検体検査できますか?
1キットの試薬は48反応分です。検査毎にコントロール(陽性コントロール・陰性コントロール)を置く必要がありますので、コントロール反応分を差し引いた検体数の検査が可能です。

キット内の試薬だけを購入することはできますか。
キットを構成する各試薬を個別に販売することはおこなっておりません。

 プライマーについて
プライマーの配列を教えてください。
SARSコロナウイルスgenomeRNA(GenBank No.NC_004718)のReplicase 1B領域内にLAMP法用のプライマーを設定しました。但し、配列は公開しておりません。

LAMP法にはループプライマーがあると聞いています。キットに添付しているのでしょうか。
ループプライマーはLAMP法において増幅時間を短縮するために使いますが、SARSコロナウイルス検出試薬キットでも利用されています(リアクションミックスSARS中に既に添加されています)

 酵素について
DNA合成酵素はPCR法で使用するものとどう違いますか。
Bacillus stearothermophilus 由来のDNA Polymerase Iから5'→3'exonuclease 活性を除いた鎖置換型DNA合成酵素です。PCR法でよく利用される酵素とは異なり鎖置換型のDNA合成酵素で、DNA合成が伸長していく先に2本鎖があるとそこを剥がしながら合成が進められるタイプの酵素です。

Bst Polymerase以外の鎖置換型DNA合成酵素は使えますか?
LAMP法ではBst Polymerase以外の鎖置換型DNA合成酵素で使用可能なものもありますが、SARSコロナウイルス検出試薬キットはBst Polymeraseを用いて試薬系を最適化していますので、キットに添付の酵素をお使いください。

どのような逆転写酵素を用いているのでしょうか?
Avian Myeloblastosis Virus由来の酵素です。
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 蛍光目視検出に関して
蛍光目視検出の原理を教えてください。
マスターミックス調製時に添加する蛍光検出試薬中のカルセインはマンガンイオンと結合して消光しています。核酸増幅反応が進むとこのマンガンイオンは増幅過程の副産物で種々の金属イオンと結合しやすい性質をもつピロリン酸イオンによってカルセインから奪われ、ピロリン酸マンガンが生成します。その結果、カルセインはフリーとなり、消光していた蛍光を発するようになります。核酸増幅が起こった場合は、紫外線照射装置を用いて紫外線を照射すれば蛍光が増強されますので、LAMP反応後その蛍光を目視で確認することにより標的核酸配列の有無がわかります。

反応液中に蛍光・目視試薬が添加されていても濁度検出に影響はありませんか?
Loopampリアルタイム濁度測定装置は650〜660nmの波長を検出しています。カルセインによる蛍光波長は515nmであること、また核酸増幅時に生成する白濁の量が多いことから、定性検出としての濁度検出には影響はありません。

蛍光目視測定時に注意すべきことはありますか?
蛍光目視判定時に紫外線照射装置を使用する場合、ランプより放射される紫外線(殺菌線)は有害で、点灯中のランプを短時間見つめただけでもあとで目が痛くなり、結膜炎に似た症状を起こしますので、紫外線から目を守るため、必ずガラス板を通すか、広幅の眼鏡又は防護面をかけて判定してください。

目視判定で、陰性と陽性の境目は?
陽性コントロールと同様に明らかに蛍光を発している場合を陽性と判定します。また、陰性コントロール同様蛍光を発しない場合を陰性とします。それ以外は本キットでの判定は陰性とし、最終的には臨床症状等も含め総合的に判断します。

目視判定で、反応終了後の液はどれくらいの時間まで判定できますか?
反応終了後、1時間以内に判定してください。また、後で画像として保管する場合は、反応終了後のチューブを遮光して4℃に保存してください。この場合は1週間以内に使用してください。

目視判定で、蛍光(色)の強さはコピー数を反映していますか?
蛍光の強さと検体のコピー数との間に相関はありません。本キットは定性検出キットであり、定量測定目的に開発されたものではありません。
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 使用器具、機器、設備に関して
専用のリアルタイム濁度測定装置を用いた濁度検出が標準法となっているのは何故ですか?
リアルタイム濁度測定装置による検出は、記録が残すことができ、SARSコロナウイルスの特有の核酸配列があれば、リアルタイム曲線から速やかにウイルスの検出が可能となります。また、本試薬キットでの増幅、検出のために適切な性能を有していることから、臨床性能試験における蛍光目視検出にも本装置を用いています。栄研化学では本装置以外の機器による濁度検出・蛍光目視検出に十分な経験を有しておりません。これらのことから、栄研化学では本検出を標準法としています。
蛍光目視検出に本装置以外の機器をご使用になる場合は、機器メーカーにより定期的にメンテナンスされたものをお使いください。

本キットを用いてSARSコロナウイルスを検出するために必要な検査室、設備を教えてください。
バイオハザード対策及び核酸コンタミネーション対策は施設内の安全規定に従ってください。
以下に、検査室、安全キャビネット等および測定装置の使用例を示します。

1. 推奨する施設および設備:【検査室3室(A、B、C)、安全キャビネット1台(A)、クリーンベンチ2台(A、B)】
  *検査室A、Cは施設の安全規定に従う。検査室Bはバイオハザードエリアでなくて良い。
1)RNAの抽出
場所:検査室A
設備:安全キャビネットA
2)マスターミックスの調製及び反応チューブへの分注
  場所:検査室B
設備:クリーンベンチA(吹出しタイプまたはエアーカーテンタイプ)
3)サンプル及びコントロール溶液の(マスターミックス分注済み)反応チューブへの添加
  場所:検査室C
設備:クリーンベンチB(エアーカーテンタイプ)
4)LAMP増幅反応及び検出
  場所:検査室C
設備:LAMP法専用濁度測定装置

2. 推奨できる必要最小限の施設及び設備:【検査室1室、安全キャビネット1台+クリーンベンチ1台】
  *検査室は施設の安全規定に従う。
1)RNAの抽出
場所:検査室
設備:安全キャビネットA
2)マスターミックスの調製及び反応チューブへの分注
  場所:検査室
設備:クリーンベンチA(吹出しタイプまたはエアーカーテンタイプ)(または安全キャビネットB)
3)サンプル及びコントロール溶液の(マスターミックス分注済み)反応チューブへの添加
  場所:検査室
設備:安全キャビネットA
4)LAMP増幅反応及び検出
  場所:検査室
設備:LAMP法専用濁度測定装置
 

LAMP法によるSARS検査を行うための設備は検体抽出からRNA検出まで安全キャビネット1台でできますか?
マスターミックスの調製時にSARSコロナウイルスRNAの鋳型が混入することを極力避ける必要があります。もし混入すれば、ネガティブコントロールまたは陰性検体の判定が陽性化し、判定不能又は誤判定を引き起こしますので、お薦めできません。簡易なもので結構ですのでクリーンベンチを購入することにより上記2の形でご対応くださることをお薦めします。

蛍光目視検出ではどのような装置が必要ですか?
以下の装置が必要です。
インキュベータ : LAMP反応用。反応チューブを一定温度(反応温度±0.5℃)に保持でき、チューブ内での蒸散を防ぐホットボンネット付のものをご使用 ください。
ヒートブロック : 酵素失活反応用。誤判定を避けるため、LAMP反応終了後に必ず酵素失活反応を実施してください。
紫外線照射装置: 蛍光検出用。紫外線照射の条件についてはこちらをご覧ください。

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操作法に関して
 試薬の調製、保存について
コントロールは必要ですか。
核酸増幅反応が適切に進行したか確認するために、必ずコントロールを置くようにしてください。

1回の測定ごとにコントロールが必要でしょうか?
核酸増幅反応が適切に進行したかを確認するために、反応毎に陰性及び陽性コントロールを置く必要があります。

コントロールを置くのを忘れてしまいました
誤判定を避けるために、再試験をおこなってください

試薬の調製法を間違えてしまいました。
使う試薬は微量です。わずかな調製ミスでも大きな誤差となります。その場合はもう一度調製し直してください。

増幅反応まで氷上での操作が必要でしょうか?
酵素の失活を防ぐため、マスターミックスの調製、マスターミックスとサンプル及び陰性・陽性コントロールとの混合は、全て氷上で実施してください

試薬はどのくらい凍結融解できますか?
凍結融解を20回繰り返した結果では、試薬の劣化は認められておりませんが、無用な凍結融解は品質保持のため避けてください。

マスターミックスは調製後どのくらいの時間安定ですか?
氷上で2時間までは安定とのデータはありますが、できるだけ早く使用してください。

有効期間はどれだけ有りますか?
有効期間は製造日から6カ月です。

有効期間が過ぎてしまいました。
残念ながら品質の保証はできません。

保存温度は何℃ですか?
‐20℃で保存してください。

室温で放置してしまいました。
影響を否定できませんので新しい試薬をお使いください。

残った試薬の保存法を教えてください。
‐20℃で保存してください。

 抽出について
ヒト由来検体からのRNA抽出操作は必要でしょうか?
SARSコロナウイルスのRNAを検出するには、検体中にあるLAMP反応を阻害する物質の影響を取り除き、かつウイルスのエンベロープからRNAを分離する必要がありますので、抽出操作が必要です。検体からのRNA抽出には QIAamp Viral RNA Mini Kit(QIAGEN社)をお使いください。

抽出操作後の検体は感染性がないものと考えてよいでしょうか?
ウイルス分離用試薬(QIAamp Viral RNA Mini Kit)のプロトコールに従い、正しい操作を行えば検体中の感染性病因子は(Buffer AVL中で)不活化されると考えられますが、抽出後の扱いについては施設の安全基準に従ってください。

 測定、測定結果について
Loopamp濁度測定装置で測定したとき、増幅反応時の曲線はどのような形になるのですか?
添付文書に専用のリアルタイム濁度測定装置を用いた場合の増幅曲線パターンを記載しています。通常、反応開始後しばらくは平坦な直線となり、増幅反応時の副産物であるピロリン酸マグネシウムの粒子が生成しはじめると、間もなく傾きの大きな直線的な上昇カーブを描きます。その後カーブは時間とともに緩やかになり平衡状態を経て粒子の沈降とともに徐々に下降してきます。
 Loopampリアルタイム濁度測定装置RT-160Cを用いた場合、陽性コントロールや鋳型量が多い検体の反応で、傾きの大きな直線的な上昇カーブの途中で曲線が波打つ形状が見られることがあります(下図)。これは増幅に伴って生成するピロリン酸マグネシウムの凝集塊の粒子径が反応途中で変化することによると考えられます。このような増幅曲線の場合でも判定には影響ありません。
 
 

陽性コントロールが(−)に出ました。
各試薬を所定量加えているか、試薬を入れ間違えていないか、マスターミックスおよび反応液の攪拌が十分であったかご確認ください。また、専用以外の濁度チューブを用いた場合は、専用の濁度チューブをUV照射した場合、偽陽性あるいは偽陰性となる可能性があります。ご確認の上、再試験をおこなってください。

陰性コントロールが(+)に出ました。
コンタミネーションの可能性があります。コンタミネーション回避の方法および除去方法を参照してください。また、専用以外の濁度チューブを用いた場合、専用の濁度チューブをUV照射した場合は、偽陽性あるいは偽陰性となる可能性があります。ご確認の上、再試験をおこなってください。

陽性コントロールの立ち上がり時間がバラツクのですが。
マスターミックスおよび反応液の攪拌は十分でなかった可能性があります。また、専用以外の濁度チューブを用いた場合、専用の濁度チューブをUV照射した場合は、偽陽性あるいは偽陰性となる可能性があります。ご確認の上、再試験をおこなってください。

陽性コントロールの濁度値がバラツクのですが。
マスターミックスおよび反応液の攪拌は十分でなかった可能性があります。また、専用以外の濁度チューブを用いた場合、専用の濁度チューブをUV照射した場合は、偽陽性あるいは偽陰性となる可能性があります。ご確認の上、再試験をおこなってください。

反応チューブに傷が入ってしまいました。
反応チューブに傷があると正しく測定できず、場合によっては誤判定の原因となります。反応チューブの取扱いには十分に注意してください。すでに操作を始めた場合は傷のついたチューブのサンプルは再試験をしてください。

 電気泳動での検出について
電気泳動で検出ができますか。
検出は可能ですが、LAMP法は増幅効率が高く増幅産物が大量に生成されるため、電気泳動はコンタミネーションの原因となります。そのため電気泳動等での増幅産物の取扱いは避けてください。

 廃棄方法について
試薬の廃棄方法に注意は必要ですか?
増幅産物によるコンタミネーションは誤判定の原因となるばかりでなく、試験環境そのものを汚染し、汚染を除去しない限り、以後の試験で正しい結果が得られなくなる可能性があります。従って、反応後のチューブはキャップを開けずに、焼却処理または密閉できるビニール袋を二重に施し医療廃棄物として処理してください。増幅産物の飛散防止のため、廃棄の際にオートクレーブ処理は行わないでください。
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 その他
発送方法は?
弊社では、製品を安定した品質でご提供するため、「クール宅急便(冷凍タイプ)」にてお届けしております。
お受け取り後は、製品の品質保持のため速やかに冷凍庫保存(-20℃保存)してください。
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