検出法

目視検出

白濁による目視検出

LAMP法では、増幅産物に比例し副産物としてピロリン酸マグネシウムが産生されます。増幅産物量が桁外れに多いLAMP法では、それを白濁として検出できます。そのため、標的遺伝子の有無を白濁により目視検出をすることができます。

蛍光強度による目視検出

Loopamp蛍光・目視検出試薬中に含まれるカルセインは、はじめマンガンイオンと結合して消光していますが、増幅反応の過程において産生されるピロリン酸イオンにマンガンイオンを奪われ蛍光を発し、さらに反応液中のマグネシウムイオンと結合することで蛍光が増強されます。そのため、標的遺伝子の有無を蛍光により目視検出をすることができます。

紫外線照射条件の注意事項について

リアルタイム濁度検出

増幅産物の生成とともに認められる白濁(ピロリン酸マグネシウム)は、濁度測定装置を用いてリアルタイムに測定することができます。つまり、LAMP法では、濁度測定装置を用いることで標的遺伝子をリアルタイムに検出することができます。

リアルタイム濁度検出による定量性

  1. 1:2×109copies. 2:2×108copies.
    3:2×107copies.
    4:2×106copies. 5:2×105copies.
    6:2×104copies.
    7:2×103copies. 8:without template DNA
  2. The relation between the threshold times(Tt) of each sample and log of the amount of initial template DNA (mean ±S.D. : n=3)

上記のデータは、リアルタイム濁度測定装置を用いて、初期鋳型量の異なる複数検体(希釈系列)のLAMP法による増幅を同時に行い、各検体が任意に設定した濁度(0.1)に到達するまでの時間(Tt値)を測定したものです(A)。

その結果、Tt値は初期鋳型量に依存して増加し、2×103 ~ 2×109 コピーの範囲において、初期鋳型量の対数に対するTt値をプロットしたグラフ(B)に直線性が認められました。このことは、リアルタイム濁度測定装置を用いて検量線を作成することによって、LAMP法による標的遺伝子の定量が可能であることを示唆しています。

【参考】 Real-time turbidimetryof LAMP reaction for quantifying template DNA
Yasuyoshi Mori, Masataka Kitao, et al. Journal of Biochemical and Biophysical Methods, Vol.59 145-157, 2004

電気泳動による検出

DNAの検出例(HBV)

写真は、HBV について、60℃ 1時間で増幅された産物を2%アガロースゲルで電気泳動した結果です。このように、LAMP法の増幅産物は、1本のバンドとしてではなくラダーバンドとして現れます。これは、LAMP法では、標的遺伝子の相補的な配列が繰り返された構造の増幅産物がいろいろなサイズでできることによるものです。
この例では、6コピーから増幅されており、この増幅産物を制限酵素Ear I で消化することにより、バンドの集約が認められています。更に、これらのバンドの配列を確認した結果、全て標的遺伝子の配列でした。

RNAの検出例(PSA mRNA)

写真は、PSA のmRNAについて65℃ 45分間で増幅された産物を2%アガロースゲルで電気泳動した結果です。
この例では、PSAを発現しない細胞(K562)100万個に対して、PSAを発現するLNCaP細胞 1個あるいは10個という条件でも増幅されており、上記のHBVの場合と同様に、制限酵素Sau 3AⅠで消化することにより、バンドの集約が認められています。